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Japanische Klassiker mit Furigana

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たんげさぜん

丹下左膳

林 不忘

Lesen Sie 丹下左膳 (たんげさぜん) von 林 不忘 (はやしふぼう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 241.861 Zeichen · 480 Bildschirme

Aozora Bunko

境に達した男でありますが。

文はまた別。おまけに恋文。

「チッ!書けねえもんだなあ」

と、煙突掃除みたいな大髻のあたまをかかえて、長火鉢の猫板に左膳の肘を突き、筆といっしょに顎をささえて一つッきりの眼をしかめ、ウンウンうなってるところは、まことに珍妙な図。

まったく、どなたかに助けに飛びだして、書いていただきたいくらいのもので……しかし、丹下左膳のやつが、ラブレターを書く身になろうたア思わなかった。

わからないもンですネ。

「ウッ、汗をかくだけで、一字も書けねえや」

剣妖、われながらつまらない洒落をいった。

とたんに。

「何をお前さんウンウンうなってるんだい。お腹でも痛むの?」

ねてると思ったお藤姐御が、ムックリ枕から頭をあげて、皮肉なひとこと。

これには左膳も、不意の斬込みをくった以上にあわてて、

「ウンニャ、い、一首浮かんだから、わすれねえうちに書きとめておこうと思ってナ」

「オヤ、火鉢のひきだしに、一朱あったのかえ」

「ナ、何を言やアがる。寝ぼけてねえで、早くねむっちめえ、ねむっちめえ!」

「お前さんも早くおやすみよ。油がむだだわサ」

お藤はそのまま、くるりと暗いほうを向いたが――ドッコイ、ねむってなるものか。