Japanische Klassiker mit Furigana
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たんげさぜん
丹下左膳
林 不忘
Lesen Sie 丹下左膳 (たんげさぜん) von 林 不忘 (はやしふぼう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 241.861 Zeichen · 480 Bildschirme
「じゃ、いそいで行って来な」
「へえ、此壺を妻恋坂へ届けせえすれア、とんでけえってめえります。また当分かくまっておもらい申してえんで」
「あいさ、これは承知だよ」
「こういう危ねえ仕事には、けえって夜より、真っ昼間のほうがいいんです」
「お前がそうしてそれを持ったところは、骨壺を持ってお葬式に出るようだよ。似合うよ」
「ヤ、姐御、そいつあ縁起でもねえなあ」
与吉が閉口して、出て行きますと、あとは急にヒッソリして、おもて通りの駒形を流して行く物売りの声が、のどかに――。
しばらく、天井の雨洩りのあとを見ていたお藤は、やおらムックリ起きあがって、手を伸ばして三味線をとりあげました。
すぐ弾きだすかと思うと、さにあらず、押入れをあけて、とり出したのは、中を朱に、ふちを黒に塗った状箱です。紐をほどく。ふたを除く――。
そして、お藤、まるで人間に言うように、
「さア、みんな、しっかり踊るんだよ」
と! です。おどろくじゃアありませんか。その状箱からぞろぞろ這い出したのは、五、六匹の尺とり虫ではないか――。
同時に、お藤、爪びきで唄いだした。
「尺取り虫、虫
尺とれ、寸取れ」