Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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たんげさぜん

丹下左膳

林 不忘

Lesen Sie 丹下左膳 (たんげさぜん) von 林 不忘 (はやしふぼう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 241.861 Zeichen · 480 Bildschirme

Aozora Bunko

「一刻にどのくらい水嵩がますのであろうの」

「サアそれは、ちょっとわからぬが――」

首まで来るまでには相当時間があろう。その間に、なんとでもして脱出のくふうをつけねばならぬ。

なんとでもして!

けれど。

どうしたらよいか?

四畳半ほどの地底の一室である。地面に達する唯一の穴は、天井高く三尺ほどの直径に、斜めに通じているだけで、そこにとどく足場もなければ、とびつこうにも手がかりがない。

周囲は、荒削りの土石の壁。

もう地上は、たそがれどきでもあろうか。

さっきまで、穴からかすかに流れこんでいた光線は、すっかり消えて、闇の中にそそぎ入る水音のみ、高い。

伊賀の連中はどうしたろう!

チョビ安は?

「オイッ!」

と、源三郎が、左膳の注意をうながした。

足でジャブジャブ水をけって見せた。

いつのまにか、もうふくら脛の半ばまできている。まもなく膝を没するであろう。それから腿、腹、胸、首……やがて全身水びたしに――。

左膳と源三郎、沈黙のうちに、狂的な眼をあわせた。

水は、つめたく脛をなめて、這いあがってくる……。