Japanische Klassiker mit Furigana
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たんげさぜん
丹下左膳
林 不忘
Lesen Sie 丹下左膳 (たんげさぜん) von 林 不忘 (はやしふぼう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 241.861 Zeichen · 480 Bildschirme
安積玄心斎の一行は、与吉にあざむかれて、横町へ切れて行ったものらしく、あたりに見えない。
「小僧め! 洒落た真似をしやがる」
きっとくちびるを噛んだ与吉、豆のように遠ざかって行くチョビ安のあとを追って、駈けだした。
柳沢弾正少弼、小笠原頼母と、ずっと屋敷町がつづいていて、そう人通りはないから、逃げてゆく子供のすがたは、よく見える。
「どろぼうっ! 泥棒だっ! その小僧をつかまえてくれっ!」
と与吉は、大声にどなった。
早いようでも子供の足、与吉にはかなわない。ぐんぐん追いつかれて、今にも首へ手が届きそうになると、チョビ安が大声をはりあげて、
「泥棒だ! 助けてくれイ!」
と喚いた。
「この小父さんは泥棒だよ。あたいのこの箱を奪ろうっていうんだよ」
と聞くと、そこらにいた町の人々、気の早い鳶人足や、お店者などが、ワイワイ与吉の前に立ちふさがって、
「こいつ、ふてえ野郎だ。おとなのくせに、こどもの物を狙うてえ法があるか」
おとなと子供では、どうしてもおとなのほうが割りがわるい。みんなチョビ安に同情して、与吉はすんでのことで袋だたきにあうところ……。
やっとそれを切り抜けると、その間にチョビ安は、もうずっと遠くへ逃げのびている。