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Japanische Klassiker mit Furigana

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たんげさぜん

丹下左膳

林 不忘

Lesen Sie 丹下左膳 (たんげさぜん) von 林 不忘 (はやしふぼう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 241.861 Zeichen · 480 Bildschirme

Aozora Bunko

と洟をすすりあげたチョビ安、そのまま筵をはぐって河原へ出たかと思うと、大声にうたい出した。澄んだ、愛くるしい声だ。

「むこうの辻のお地蔵さん

涎くり進上、お饅頭進上

ちょいときくから教えておくれ、

あたいの父はどこ行った

あたいのお母どこにいる

ええじれったいお地蔵さん

石では口がきけないね――」

それを聞く左膳、ぐっと咽喉を詰まらせて、

「おウ、チョビ安」

と呼びこんだ。

「どうだ、父が見つかるまで、おれがおめえの父親になっていてやろうか」

チョビ安は円な眼を見張って、

「ほんとかい、乞食のお侍さん」

「ほんとだとも、だが、そういちいち、乞食のお侍さんと、乞食をつけるにはおよばぬ。これからは、父上と呼べ。眼をかけてつかわそう」

「ありがてえなあ。あたいも一眼見た時から、乞食の……じゃアねえ、お侍さんが好きだったんだよ。うそでも、父とよべる人ができたんだもの。こんなうれしいこたあねえや。あたい、もうどこへも行かないよ」

「うむ、どこへも行くな。その壺は、この俄ごしらえの父が、預かってやる。これからは、河原の二人暮しだ。親なし千鳥のその方と、浮世になんの望みもねえ丹下左膳と、ウハハハハハ」