Japanische Klassiker mit Furigana
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ひかりはかげを
光は影を
岸田 国士
Lesen Sie 光は影を (ひかりはかげを) von 岸田 国士 (きしだくにお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 138.262 Zeichen · 276 Bildschirme
と、言い、そのあとで、「こつちも、まあ、だいたい変りはない。深志も、予科練にはいるにははいつたが、この通り、終戦で帰つて来た。中学へはいり直すのが辛らかつたらしい」
弟の深志は、にやりとし、襟に「L」とある大学の制服を、ちやんと着込んで、頭の毛を伸ばしはじめていた。が、これは、さつきから一緒にいても、別段向うから話しかけようとせず、煙草ばかり喫つていた。
下の妹、真喜が、やはり、目立つた変りようであつた。新制高等学校の上級生とだけでは、彼にはピンと来なかつたが、簡単な受けこたえに、もう知性といえばいえるものゝ片鱗をのぞかせていた。
彼は、しかし、その場にいない妹のことを訊ねずにいられなかつた。
「美佐はどうしました」
誰にともなく、こういうと、
「美佐か、うむ、あいつのことは、いずれゆつくり話す」
父が引取つて、こう答えたのだが、この時、一座の空気は、明らかに動揺の色をみせ、女たちは、さッと顔を伏せたのを、彼は見逃がさなかつた。
「生きちやおるよ。まあ、それより、お前の七年間の戦場生活を、ざつと話せ。思うように便りのできんことはわかつとるが、満洲、華中、それから、どこだ。