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Japanische Klassiker mit Furigana

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ひかりはかげを

光は影を

岸田 国士

Lesen Sie 光は影を (ひかりはかげを) von 岸田 国士 (きしだくにお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 138.262 Zeichen · 276 Bildschirme

Aozora Bunko

そして、自分も下駄をつつかけて門まで送つて出た。

裏の竹藪から長久保宇治がひよつこり飛び出して来て、

「もうお帰りですか。ゆつくりしていただくつもりでいましたのに……」

「いや、いや、そうしてはいられないんです。またいつか寄せていたゞくかわかりません。お二人ともご機嫌よう」

「百瀬君のところ、道はおわかりでしようか?」

「さあ、わかると思いますが……」

実は、まるで見当がつかなかつた。それを見てとつて、長久保宇治は、

「おい、小萩、お前ちよつと送つてあげなよ」

「でも、おわかりになるわ、ねえ」

と、小萩はしぶつてみせる。

「ちよつとやゝこしいで、途中までゞも附いてつてあげるといゝ」

「じや、そう願いましようか」

京野等志は、たずねればわかるとは思つたが、いつそ、この田圃道を小萩と並んでしばらく歩いてみるのもわるくないという気がした。果して、あのどんよりとくすんだ部屋の中で向い合つた小萩とはまつたく別な小萩が、青空のまぶしい光の中に浮びあがつた。それは、地味な衣裳と無造作な髪の形が、すんなりとしたからだつきに、一種のつゝましい媚態のようなものを浸み出させていることだつた。