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Japanische Klassiker mit Furigana

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ひかりはかげを

光は影を

岸田 国士

Lesen Sie 光は影を (ひかりはかげを) von 岸田 国士 (きしだくにお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 138.262 Zeichen · 276 Bildschirme

Aozora Bunko

「薪を割るぐらい、僕が手伝いますよ。なんだ、そんなことまで遠慮してるのか」

と、京野等志は、つい、遠慮という言葉に力をこめた。

「深志兄さんに頼んでも、なかなかやつてくれないのよ。文句ばかり言つて……」

末の妹、真喜が口をはさむ。

「今度のはまた、太いのばかりと来ているから………」

母は、茶を注ぎながら、真喜に兄の茶碗が空になつていることを、頤で知らせた。

「深志は、毎日どうしてこんなに遅くなるんでしよう? 何をきいても黙つてるから、わからないわ」

女たちが食事をはじめると、上の妹の多津は、小声で母にさゝやく。

「あいつはだんだん口数が少くなつた。いゝ傾向だ。若い男のお喋りは、軽薄にみえていかん」

と、父は、独言のように言う。

「あら、だつて、必要なことは、ちやんと言う方がいゝわ。卑屈で言えないのも、かたくなで言おうとしないのも、どつちも、感心できないわ」

真喜がちよつぴり意見を吐く。

「それやそうさ。たゞ、わしの言うのは、言葉は最少限に、ということだ。若いうちは特に、余計なことを言つちや、しくじるもんだ。そこへ行くと、年寄りは多少趣きがちがつて来る。言葉が多いようにみえても、その言葉には、余裕というもんがでて来るんだ。