Japanische Klassiker mit Furigana
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ちきゅうとうなん
地球盗難
海野 十三
Lesen Sie 地球盗難 (ちきゅうとうなん) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 84.072 Zeichen · 168 Bildschirme
“天空へ?”
「そうです」
すると一団は俄かに興奮の色を現し、またガラガラ蛇のように、シュウシュウシュウシュウと奇妙な声をあげて鳴きだした。
そのうちに、彼等の一部は、不気味な頭を寄せて、天井の一角を睨んだ。そして見ていると、だんだんと首を違った方角に向け直していった。それは天井を注視しているように見えたが、実際は天井に興味があるのではなくて、彼等の人間離れをした視力でもって、天井や屋根をとおして、遥かの天空を探しているのだということに気がついた。もちろんそれは辻川博士のロケットを探しているのに違いなかった。
そのうちに、また白幽霊が話しかけた。
“博士のロケットには、B18号と書いてあるか?”
「いえ、違いますよ。博士のロケットは、確かE4号でしたよ」
白幽霊は、また奇妙な声で鳴き合った。大隅学士は、この会話のとき、或る重大な事実に気付くべきだった。しかし心の余裕を失っていた彼は、そのとき遂に気付かないでしまった。彼は後になって、そのときのボンヤリさ加減を、どんなに悔んだかしれない。それはそれとして、白幽霊たちは盛んに鳴き合っていたが、そのうちに鳴くのをピタリとやめてしまった。