Japanische Klassiker mit Furigana
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ちきゅうとうなん
地球盗難
海野 十三
Lesen Sie 地球盗難 (ちきゅうとうなん) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 84.072 Zeichen · 168 Bildschirme
しかしあたりは依然として変らぬ木立と雑草との風景であって、探し求めている武夫少年の姿もなければ、格闘の跡も見当らなかった。大隅理学士はすこし当惑した。彼は歩行を止めると、そのままどっかりと草の上に腰を下ろした。そしていままでずっと点けていた懐中電灯を消した。俄かに闇がドッと学士の全身を包んだ。
ほの明るい残影が眼底から消えていって、彼はようやく闇に慣れた。そこで彼は、改めて暗黒そのもののような四囲を眺めまわした。暗澹たる闇の外に何にもない!
と、軽い失望と安心とが学士の胸に沈澱したと思った――その刹那の出来ごとだった。
何百メートル前方ともハッキリ分らないが、丁度彼の顔が向いていたその真正面のところで、なにものとも知れず、いきなり真青な火がパッと点いた。途端にシューッという激しい音響が、林の中の空気を震動させた。と同時に、真青な火は一時に大きく拡がって、どッと天に冲した。火柱だ、大火柱が立ったのであった。その怪光は、木立の幹まで真青に染めて、時間にして四、五秒間は焔々と燃えあがっていたであろうか。
「呀ッ!」
と、大隅理学士が驚いてその場に跳ねあがった瞬間、スーッと消えてしまった。