Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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とうじょうのきじゅつし

塔上の奇術師/鉄人Q

江戸川 乱歩

Lesen Sie 塔上の奇術師/鉄人Q (とうじょうのきじゅつし) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 151.766 Zeichen · 303 Bildschirme

Aozora Bunko

刑事たちの胸に、おそろしいうたがいがわきおこりました。

四十面相のやつ、逃げたとみせかけて、じつは、ここにかくれていたのではないでしょうか。変装の名人ですから、こんな小男にでも化けられるのかもしれません。なににしても、マフラーにつつんだ四角なはこを、あらためて見なければなりません。

ひとりの刑事が、いきなりそのつつみをひったくって、ひらいてみました。

「アッ、やっぱりそうだッ。」

それは、ピカピカ光る黄金のはこでした。ふたにかぎがかかっているので、あけて見ることはできませんが、話にきいた宝石ばこにちがいありません。

「きさまッ、四十面相だなッ。それとも……。」

刑事たちがつめよりますと、その男は、ひょいと顔をあげて、にこにこ笑いました。まっ黒によごれていますが、なんだか女のような、やさしい顔つきです。四十面相が、こんなやさしい顔に化けられるのでしょうか。

「あたし、ちがいます。」

その男は、女の声で答えました。

「なんだと、四十面相か、その手下でなくて、どうしてこの宝石ばこを持っているんだ。女のような声を出して、ごまかそうとしたって、その手はくわないぞッ。