Japanische Klassiker mit Furigana
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よあけのつじ
夜明けの辻
山本 周五郎
Lesen Sie 夜明けの辻 (よあけのつじ) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 42.801 Zeichen · 86 Bildschirme
「それで先生はいかがあそばしました。もう御出立でございますか」
「御出立のはずであったが、まずこの騒ぎの鎮まるまで御滞在を願ってある……というのが、四人を仕止めた相手が東寿どのだということを、やっぱり孫次郎が察しているらしい」
「知合いでございますか」
「江戸で同じ剣法道場で学んだので、東寿どのの太刀筋を見知っているとのことだ……東寿どのが県先生の供をして、当地に来ていることまでは気付かぬらしいが、もしそれが分ったら無事には済むまい。それで当分この屋敷にお匿い申そうと思う」
道之進はしばらく考えていたが、
「いかがでございましょう」
と頼母の眼を見ながら云った。
「孫次郎を拙者と同道で江戸へやっていただけませぬか、そういたせば東寿どのを見知る者は彼一人ですから、後が安全だと存じます」
「それは妙案だ。すぐそう計らおう」
頼母は直ちにその手配をした。
旅支度をして駈けつけた斎藤孫次郎とともに、道之進が頼母の家を出たのは午後二時過ぎであった。……旅に立つ時刻ではなかった。吹雪もひどかった。しかし一刻も急がなければならぬ。とくに例を破って供の者にも馬を与え、四騎、雪を蹴立ててでかけた。