Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
だいぼさつとうげ
大菩薩峠4
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠4 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 264.133 Zeichen · 524 Bildschirme
後なる人は前の人の影をさえ見ることができません。前の人はまた後の人の名を呼んで門の前から三々五々、その志す家路に帰ろうとする時に、はじめてこの青少年たちに警戒の心が起りました。
もう夜が更けている。暗い上に靄がかかっている。こういう晩に門外へ出ると、そぞろにこのごろの世間の噂の中の人とならないわけにはゆきません。
彼等は言い合せたように、三人五人かたまって行きました。空身であるのもあったけれども、竹刀と道具とを荷っているのもありました。お能をやりたいと言った少年たちのうちには特に得意の美音で、謡をうたい出したのもありました。ましてや間近き鈴鹿山、ふりさけ見れば伊勢の海……なんぞと口吟んだ時は、いかにも好い気持のようでありました。
どこかで太鼓の音がしています。それは近在の若い者たちが囃の稽古をしているものらしい。大胴を入れる音と、笛を合せるのと、シャギリの音までも手に取るように響いて来たものであります。
「あの連中は根気はいいな、寒稽古といって夜徹しやっていることがある。太鼓を叩いて笛を吹いて、馬鹿面を被って踊ることでさえも、あの通りの根気がいる、それで、十年二十年と苦しんでもなかなか上手にはなれぬそうじゃ、況んや我々の武芸学問においてをや」