Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

だいぼさつとうげ

大菩薩峠4

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠4 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 264.133 Zeichen · 524 Bildschirme

Aozora Bunko

平常における米友は跛足でありますけれども、槍を持たした米友は少しも跛足ではありません。

猿のような眼をクリクリとさせて、槍を下段へ取ったままの米友は、油汗をジリジリと流していました。

これもまた平常における米友ならば、ここで得意の米友流の警句と啖呵とが口を突いて、相手を罵るはずであったが、この時は、エとか、ヤとか言うほかには言句の余裕がないようであります。

それよりも大事なことは、その棒の頭へ槍の穂をすげる隙がないことであります。いつも懐中へ忍ばせて、必要ある場合には取ってすげる、自分一流の工夫の槍の穂を頭へつける余裕すらないのでありました。多くの場合において米友は、その槍の穂をすげる必要を認めません。棒だけを持って槍の必要につかえるのでありました。

それにまた、穂をすげれば血を見ずしては納まらないのも、穂がなければ単に敵を懲らすだけで済む、という理由もありました。

今は穂をすげなければならない場合になってきたと見ゆるに拘らず、なお米友は、それを敢てするの余裕を持たないと見えます。

ものの五間ほど飛び退ってから、やや暫らくして、

「やい、出て来い、かかって来い、隠れていちゃあ相手にならねえ」