Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠4
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠4 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 264.133 Zeichen · 524 Bildschirme
でも人に見られるときまりが悪い、御家来衆はなんとお思いなさるだろう。そんなことはかまわない、この家来衆よりもわたしの方が身分が重くなるのかも知れない。ああ、わたしが片はずしの髷に結って打掛を着て、侍女を使うようになったのを、伊勢の国にいた朋輩たちが見たらなんというだろう。わたしは出世しました、わたしは恋しい恋しいお殿様のお側で、お殿様の御寵愛を一身に集めてしまいました、わたしのお殿様は世間のお殿様のような浮気ごころで、わたしを御寵愛あそばすのではありません、奥方様よりもわたしを可愛がって下さるのです。わたし、もうお殿様が恋しくて恋しくて仕方がない、わたしの胸がこんなにわくわくしてじっとしてはいられない」
お君は鏡台の前に立って悶えるように、手を高く後ろへ廻して髪の飾りを取って捨てると、髪を振りこわしてしまいました。たった今、片はずしに結ってみたくてたまらなくなったからです。
お君はついに髪を解いて、そこで自分から片はずしの髷を結ってみようとしました。櫛箱を出して鏡台に向ったお君の面には、銀色をした細かい膏が滲んでいました。お君の眼には、物を貪る時のような張りきった光が満ちていました。