Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠4

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠4 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 264.133 Zeichen · 524 Bildschirme

Aozora Bunko

「ええと、その紙で帳面をこしらえてもらいたい、半紙を横に折って長く逆綴にしてもらいたい」

「横に折って長く逆綴に? そうして何にするのでございます」

お銀様は、竜之助に頼まれた通りに帳面をこしらえ始めました。紙撚をよってそれを綴じてしまって机の上へ置き、

「逆綴というのは、これはお葬いやなにかの時にするものでございましょう」

「死んだ人へ供養のためにするのじゃ」

「供養のために?」

お銀様は、いよいよ竜之助の挙動と言語とを怪しまずにはおられませんでした。

「今日の日は何日であったろう」

「二月の十四日」

「それでは、そこへ初筆に二月十四日の夜と書いて……」

「二月十四日の夜、と書きました」

「その次へ、甲州八幡村にてと……」

「はい、甲州八幡村にて」

「その次へ、少し頭を下げて、名の知れぬ女と書いて」

「名の知れぬ女」

「十八歳と小さく」

お銀様は、竜之助に言われる通りにこれだけのことを書きました。

「これだけでよろしいのでございますか」

「まだ……左の乳の下と」

「左の乳の下、それから?」

「それでよろしい」

「これがどうして供養になるのでございます」

竜之助はそれには答えることがなく、