Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠4
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠4 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 264.133 Zeichen · 524 Bildschirme
と言いました。
その出来事の物語を聞いたお銀様は胸を打たれました。
その時に机竜之助は、眠っているのかどうか知らないが横になっていました。
お銀様は行燈の下の机によって、忙しく昨晩こしらえた横綴の帳面を繰りひろげて見ました。
「もし、あなた」
お銀様は机竜之助の面を睨んで、
「もし、あなた」
二度まで竜之助を呼びました。
「何だ」
竜之助は懶げな返事をします。
「あなたは昨晩どこへおいでになりました、もしやあの向うの水車小屋の方へおいでになりはしませんか」
「水車小屋の方へ行った」
「そうしてそこで何をなさいました」
「そこで何もしない」
「何かごらんになりはしませんでしたか」
「別に何も……見ようと思っても見えはせぬわい」
「あの十八になる村の娘さんと、道で行きあうようなことはありませんでしたろうね」
「はははは」
竜之助は笑いました。何の意味ある笑い方であったか、お銀様には少しもわかりませんでした。
「ああ怖ろしい」
お銀様は総身へ水をかけられたようになりました。
竜之助はクルリと背を向けて返事をしませんでした。
お銀様は怖ろしい形相をして、寝返りを打った竜之助の後ろ姿と、それから、自分が昨夜、怪しみながらも竜之助に言いつけられた通りを書いた帳面を見比べていましたが、やがて、荒々しく立って竜之助を揺り起して、その帳面を見え