Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠4

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠4 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 264.133 Zeichen · 524 Bildschirme

Aozora Bunko

「もとより人間の心ではない、人間というやつがこうしてウヨウヨ生きてはいるけれど、何一つしでかす奴等ではない」

「あなたはそれほど人間が憎いのですか」

「ばかなこと、憎いというのは、いくらか見どころがあるからじゃ、憎むにも足らぬ奴、何人斬ったからとて、殺したからとて、咎にも罪にもなる代物ではないのだ」

「本気でそういうことをおっしゃるのでございますか」

「もちろん本気、世間には位を欲しがって生きている奴がある、金を貯めたいから生きている奴がある、おれは人が斬りたいから生きているのだ」

「ああ、神も仏もない世の中、それで生きて行かれるならば……」

「神や仏、そんなものが有るか無いか、拙者は知らん、ちょっと水が出たからとて百人千人はブン流されるほどの人の命じゃ、疫病神が出て采配を一つ振れば、五万十万の要らない命が直ぐにそこへ集まるではないか、これからの拙者が一日に一人ずつ斬ってみたからとて知れたものじゃ」

「おお怖ろしい」

「真実、それが怖ろしければ、いまのうちにここを去るがよい」

「それでも、こうなった上は……」

「こうなった上はぜひがないと知ったならば、お前は、拙者のすることを黙って見ているがよい」