Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠4
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠4 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 264.133 Zeichen · 524 Bildschirme
宇津木兵馬は駒井能登守から添書を貰って、ここの寺の慢心和尚の許へ身を寄せることになりました。
慢心和尚というけれども、和尚自身が慢心しているわけではありません。和尚は人から話を聞いていて、それが終ると、非常に丁寧なお辞儀をする人でありました。非常に丁寧なお辞儀をしてしまってから後に、
「お前さんより、まだ大きなものがあるから、慢心してはいけません」
王城の地へ上って行列を拝した時にも、和尚は恭しく尊敬の限りを尽しましたけれども、そのあとで、
「お前さんより、まだ大きなものがあるから、慢心してはいけません」
と言って帰りました。
領主や大名へ招かれた時でも、そうでありました。御馳走になったあとでは、非常に丁寧なお辞儀をして、帰る時に、
「お前さんより、まだ大きなものがあるから、慢心してはいけません」
諸仏菩薩を拝んだあとでも、また同じようなことを言いました。
「お前さんより、まだ大きなものがあるから、慢心してはいけません」
慢心和尚の名は、おそらくその辺から出て呼びならわしになったものと思われます。慢心してはいけませんというのは、人に向って言うのではなく、自分に向って言うのらしいから、それで誰も慢心和尚の不敬を咎めるものはありませんでした。