Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠4
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠4 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 264.133 Zeichen · 524 Bildschirme
「近頃、この甲府城の内外は甚だ物騒なことでござる、城下の町々で辻斬がほしいままに行われるかと思えば、破牢の大罪人があって人心を騒がす、その辻斬の曲者も未だ行方が判然せず、破牢の重なる罪人は影も形もなし、これ我々を在って無きが如く致す者共の振舞。その以前、御金蔵の金子が紛失致したとやら、その盗賊の詮議も今以て埒が明かず。あれと言いこれと言い、不祥千万。その上に、このごろは毎夜の通り、この天守台の上に提灯が現われる、心なき町民どもは天狗魔物の為す業と申しおれど、これ以て人間の為せし悪戯、我々を愚弄するにも程のあったもの。余のことは扨置き、まず天守台の提灯から御詮議あって然るべく存じ申す」
神尾主膳は、焼けた提灯を捻くり廻しながらこう言いました。
神尾主膳のこの発言は無遠慮に聞えました。列座の誰をも不愉快に感じさせましたけれど、その言うことには筋道がありました。神尾がいま並べたようなことは、その一つがあっても、役人の重き越度と言わなければなりません。神尾とてもその責めを分つべき勤番のうちの上席の方の身分でありながら、それをこの席へ持ち出すということは、あまりに無遠慮であると思いました。