Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠4

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠4 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 264.133 Zeichen · 524 Bildschirme

Aozora Bunko

それでも玄関へ出た時分には、なにげない面色で家来たちを安心させました。お供の家来たちは、不幸にして主人の受けた恥辱と、その心の中の苦痛を知らないのであります。

こんなわけで、能登守の乗物は無事に邸へ帰るのは帰ったけれど、その時になって大きな騒ぎが起りました。主人が御番所において受けた容易ならぬ恥辱を、お供の者が知らない先に、邸へ知らせたものがありました。そこで家老とお供頭との間に、烈しい口論がありました。口論ではなく家老がお供の者たちを罵って、

「腰抜け! たわけ者! ナゼその場で神尾主膳を討って取らぬ、その場で討つことが叶わずば、途中においてナゼ神尾主膳の同列へ斬り込んで討死をせぬ、よくもおめおめとお供をして帰って来られたものじゃ」

家老のお叱りにあって、お供の者は一言もないのであります。家老のお叱りそのものが何を意味するのだかを合点することができませんでした。

これは無理のないことで、たとえば毒を飲まされた時に、飲まされた当人が黙って堪えている以上は、外から見て、その苦痛や惨烈の程度がわからないのはあたりまえのことであります。

駒井家の邸内は沸騰しました。