Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠4

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠4 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 264.133 Zeichen · 524 Bildschirme

Aozora Bunko

パクリと一口に頬張りました。

握飯は大きなのが五つ拵えてありました。それですから米友が、いま一つ頬張ってムシャムシャ喰っていると、竹の皮包の中には四つ残るのであります。

その大きなのを一つ食べてしまってから、米友は峠の下から汲んで来た竹筒の水を取って飲みました。それからまた握飯を一つ取って頬張りました。それを食べてしまうと、また竹筒の水を取って飲みました。三つ目の握飯を米友が食べてしまった時に、惜しいことには竹筒の中の水を飲みつくしてしまいました。これは握飯の塩が利き過ぎていたせいか、或いは米友の咽喉が乾き過ぎていたせいか知らないが、ともかく、米友としては少し飲み過ぎた傾きがないではありません。

胡麻のついた握飯は、まだあとに二個残っているのであります。それだのに水は早や尽きてしまいました。それは米友でなくても、山路を旅して腹の減った時分に、握飯を噛るほどおいしいものはおそらくこの世になかろうはずのものであります。まして小兵ながら健啖な米友が、この場合に五箇の握飯を三箇だけ食べて、あとを残すというようなことがあろうとも思われませんのです。けれども水は尽きてしまいました。