Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠4
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠4 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 264.133 Zeichen · 524 Bildschirme
という声。猿どもがキャッキャッと言っている中で、その声は、はじめは米友の耳へ入りませんでした。つづいて、
「ホーイホイ」
という声。それが耳に入ったのは米友より先に、米友を取囲んだ猿どもであります。
「ホーイホイ」
その時に、米友も風の声かと思いました。
「ホーイホイ」
人間の声であることは紛れもないのであります。人ならば二三十人の声でありましょう。それが何人であって何のためにする声だかわかりません。こちらへ来る人の声であるか、またはどこかへ一団りになっている人々の声であるかもよくわかりませんでしたが、
「ホーイホイ」
という声がようやく聞え出して来た時に猿どもが、遽かにどよめき出したことがよくわかります。
米友の気象としては、敢てこの猿どもを相手に取ることにおいて、人の加勢を願おうとは思わないのであります。それだから人の声がしたからとて、それに助けを得たとは思われたくないのであります。人が来ようが来まいが、こうなった上は一匹残らずこの傲慢不遜な猿どもを退治てやらなければ、虫がおさまらないと思っているのであります。ただどこから形をつけていいか、余りにその数が多いことによって、戸惑いをしているのに過ぎないのでありました。