Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠4

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠4 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 264.133 Zeichen · 524 Bildschirme

Aozora Bunko

と言ったけれども少年は、かなりに疲れているらしくありました。

「なにしろ、お若いに一人旅ということはなさるものではございません、あなた様が男でいらっしゃるからいいようなものの、もし女でもあって御覧じろ、道中には狼がたくさんいますからな」

がんりきにこう言われた時に、少年はギクッとしたようでした。そう言ったがんりき自身もまた、妙に気がひけたらしく、

「狼、狼といえば、この山にはほんものの狼がいるんでございます、そう思うと何だか急に気味が悪くなって来た」

がんりきは、わざとらしい身ぶるいをして前後を見廻しました。前後は杉の木立で、足下では沢の水が淙々と鳴って、空山の間に響きます。

少年は、なんとなし居堪らないような心持になって、

「ともかく、本道へ戻ろうではござりませぬか」

「まあようござんす、まあ休んでおいでなさいまし、どんなことをしたからと言ったって、日のあるうちに越せねえ峠じゃあございませんや、八州のお方が立戻ってでも来ようものなら、今度はちょっと抜け道がねえのでございます、もう少し休んでいらっしゃいまし」

と言いながら、がんりきは少年の手首をとりました。