Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠4

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠4 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 264.133 Zeichen · 524 Bildschirme

Aozora Bunko

「何を考えておいでなさるんでございます。実はこういうわけなんでございます、あなた様が、この宿屋へ駒井能登守様の御家来だといってお泊りなさっていると、丁度本陣の方へ、その本物の能登守様の御家来が、ちゃあんと着いておいでなさるんだ、役人から、あなた様のお話を聞いて、能登守の家中に左様な者があるとは訝しいとあって、今こちらへ調べにおいでなさるところなんでございます、それにつかまって御覧じろ、退引がなりません、それを聞き込んだから、わたしはこうして抜けがけをして御注進に上ったわけなんでございます、悪いことは申し上げません、ともかくもこの場だけは外さなければ、あなた様の動きが取れません、決して悪いことを申し上げるんではございません」

がんりきにこう言われてせき立てられてみると、お松の心が動かないわけにはゆきません。どのみち危ない道を踏んだ以上は、手を束ねて捕われの身になることもいやです。所詮、死を決したからには、逃げられるだけは逃げた方が怜悧ではないかとさえ思われるのであります。しかし、人もあろうに、この男の手引で夜分逃げ出すということは、いくらなんでも、まだその気にはなれないでいるところへ、表の戸をドンドンと叩いて、