Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠4
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠4 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 264.133 Zeichen · 524 Bildschirme
甲斐の国、甲府の土地は、大古は一面の湖水であったということです。冷たい水が漫々と張り切って鏡のようになっていると、そこへ富士の山が面を出しては朝な夕なの水鏡をするのでありました。富士の山の水鏡のためには恰好でありましょうとも、水さえなければ人間も住まわれよう、畑も出来ようものをと、例の地蔵菩薩がお慈悲心からある時、二人の神様をお呼びになって、
「どうしたものじゃ、この水をどこへか落して、人間たちを住まわしてやりたいものではないか」
と御相談になると、そのうちの一人の神様が、
「それは結構なお思いつきでござる、なんとかひとつ拙者が工夫してみましょう」
と言って、四辺の地勢を見廻していたが、やがて前の方の山の端の薄いところを、
「エイ」
と言って蹴飛ばすと、その山の端の一角が蹴破られてしまいました。それを見るより、もう一人の神様が立ち上って、
「よしよし、あとは拙者が引受けてなんとかしよう」
と言って、いま蹴破られた山の端へ穴をあけて、そこへ一条の水路を開いたから、見ているうちに漫々たる大湖水の水が富士川へ流れて落ちました。
それを遠くの方で見ていた不動様が、
「乃公も引込んではおられぬわい」