Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠4

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠4 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 264.133 Zeichen · 524 Bildschirme

Aozora Bunko

油紙に包んで凧糸で絡げてある包みを解いて見ると、五寸ぐらいに切った一本の竹筒が現われました。その竹筒には何かいっぱいに詰め込まれてあるらしい重味が、なんとなく無気味に思われます。それでやはり凧糸で把手をこしらえて、提げるようにしてありましたところへ、懸想文のような結状が括りつけてありました。

お松はそれを提げてみて、思わず微笑しないわけにはゆきませんでした。その竹筒の一端に「十八文」という烙印が捺してあったからです。

それでお松はすっかり合点がゆきました。「十八文」が一切を了解させてくれたのみならず、いろいろに胸を痛めたり心を苦しめたりしていたお松を、腹を抱えさせるほどに笑わせました。

あの先生はおかしい先生であると思って、お松は思出し笑いをしながらも、その親切を嬉しく思いました。これは兵馬さんのための薬である。兵馬さんが病気であるために、おじさんが道庵先生に調合してもらって、ワザワザ持参したものと思って見れば、有難くて、その竹筒を推しいただかないわけにはゆきません。

してみれば、これを兵馬さんの許まで届ける責任は、わたしに在るとお松は勇み立ちました。