Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠4
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠4 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 264.133 Zeichen · 524 Bildschirme
主人やお銀様からいろいろの下され物をお伴の男に馬につけてもらって、お君は愛するムク犬と共に藤原家を離れました。
みんな機嫌よくお君を送ってくれました。
有野村から甲府まで行く間に、お君は一足毎に春の野原へ近づいて行く心持でありました。駒井の殿様のお情けというものが嬉しくて、心が溶けてゆくばかりでありました。それでも釜無河原へ来た時分に振返って有野村を見ますと、小高い丘の下に一面に黒くなった森、そこが今まで世話になっていた馬大尽の藤原の家の構えだと知った時に、なんとなく四辺の光景が物悲しくなりました。
幸内に助けられてあの家へ厄介になったかりそめの縁が、思い出にならないということはありません。その幸内は行衛が知れないし、それよりもひとり残ったお嬢様が、「わたしもお嫁に行く」と言った一言は今でもお君にとって、何の意味だかよくわからないのであります。
いったいにお銀様の心持というものは、お君にはよくわかりませんでした。駒井様で所望する自分の身の上をお銀様が途中で、水を注そうとするような仕打がわかりません。そうかと思えば、そのお暇乞いをした時に冷やかではあったけれど、不快な色を見せないで承知をして下すったこともわかりません。