Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠4
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠4 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 264.133 Zeichen · 524 Bildschirme
お君とムク犬との関係がそんなになってゆく間に、お松とムク犬とがようやく親密になってゆくことが、目に見えるようであります。
それだからムク犬は、或る時は駒井家の庭の一隅に眠り、或る時は神尾の家へ行って遊んで来るのであります。神尾の家といってもそれは本邸の方ではなく、別家のお松の部屋の縁先であります。お松はこの犬を可愛がりました。
神尾家の本邸のうちは、このごろ見ると、またも昔のような乱脈になりかけていることがお松の眼にはよくわかります。貧乏であった神尾主膳がこの春来、めっきり金廻りがよくなったらしい景気が見えました。けれどもその金廻りがよくなったというのは、知行高が殖えたからというわけではなく、また用人たちの財政がうまくなって、神尾家の信用と融通が回復したというわけでもないようです。
このごろ神尾家へは、雑多な人が入り込みます。札附の同役もあれば、やくざの御家人上りもあり、かなり裕福らしい町人風のものもあり、また全然破落戸風のものもある――それらの人が集まって、夜更くるまで本邸の奥で賭場を開いていることを、お松は浅ましいことだと思いました。神尾主膳に金廻りがよくなったというのは、それから来るテラ銭のようなものでしょう。