Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠4
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠4 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 264.133 Zeichen · 524 Bildschirme
「それっきりだ」
「その背中に背負っているのは、そりゃ何?」
「こりゃ脇差だ、これも欲しけりゃくれてやろうか」
「そんな物は要らない」
「さあ、それだけくれてやったら文句はあるめえ、早く行っちまえ、こうしているのが危ねえ」
「それでも……」
「まだ何か不足があるのかい」
この時、二人の方へ人が近づいて来ます。がんりきとお角は離れ離れに、塀の側と辻燈籠の蔭へ身を忍ばせようとした時、
「何をしやがるんだい」
やにわにがんりきに組みついて来たものがあります。
それと見たお角は、前後の思慮もなくその場へ飛びかかりました。
「貴様は――」
覆面の侍の後ろから飛びかかったお角は、直ちに突き倒されてしまいました。
「神尾の廻し者だろう、大方、そう来るだろうと思っていた」
がんりきは片手を後ろへ廻して、侍の髱を掴んで力任せに小手投げを打とうとしました。侍はその手を抑えて、がんりきが差置いた青地錦の袋入りの刀を取ろうとしました。
「それをやってたまるものか」
片腕のがんりきは両手の利く侍よりも喧嘩が上手でありました。侍の腰がきまらないところを一押し押して振り飛ばすと、覆面の侍は前へのめってしまいました。