Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠4
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠4 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 264.133 Zeichen · 524 Bildschirme
筑前様にも、このことを大へんおよろこび下さいました」
こういう話でありました。能登守はそれを聞いて、
「それは慶たいことでござる、左様な慶たいことを何しに拙者において異議がござりましょう。して、先方のお家柄は?」
穏かにこう尋ねたのでありました。
「先方は、有野村の藤原の伊太夫の一の娘にござりまする」
「有野村の伊太夫の娘?」
「左様でござりまする」
「なるほど」
能登守は暫らく考えている風情でありましたが、言葉をついで、
「あれは聞ゆる旧家でありましたな」
「仰せの通り、家柄では多分、この甲州に並ぶ者がなかろうとのことでござりまする」
お絹はやや誇りがおに答えました。
「その通り、伊太夫は拙者もよく存知の間柄、その家柄もよく承っているが、その息女にはまだお目にかからぬ」
「常には、あまり人中へ出ることさえ嫌うような娘でありましたが、このたびの縁談は、その当人が進みましたものでござりまする」
「それは何よりのこと。この縁談の仮親はどなたでござりまするな」
「仮親と仰せられまするのは?」
「神尾家と藤原家とには聊か家格に違いがござるようじゃ、藤原家の息女が神尾家へ御縁組み致すには、仮親をお立てなさるが順序と考えられるが」