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Japanische Klassiker mit Furigana

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こうじょうさいぼう

工場細胞

小林 多喜二

Lesen Sie 工場細胞 (こうじょうさいぼう) von 小林 多喜二 (こばやしたきじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 91.234 Zeichen · 184 Bildschirme

Aozora Bunko

俺はだまって、その方へ歩き出した。

アパアト住い

「南房」の階上。

独房――「No. 19.」

共犯番号「セ」の六十三号。

警察から来ると、此処は何んと静かなところだろう。長い廊下の両側には、錠の下りた幾十という独房がズラリと並んでいた。俺はその前を通ったとき、フトその一つの独房の中から低いしわぶきの声を耳にした。俺はその時、突然肩をつかまれたように、そのどの中にも我々の同志が腕を組み、眼を光らして坐っているのだ、ということを感じた。

俺は最初まだ何にも揃っていないガランドウの独房の中に入れられた。扉が小さい室に風を煽って閉まると、ガチャン/\と鋭い音を立てゝ錠が下り、――俺は生れて始めて、たった独りにされたのだ。

俺は音をたてないように、室の中を歩きまわり、壁をたゝいてみ、窓から外をソッと覗いてみ、それから廊下の方に聞き耳をたてた。

誰か廊下を歩いてゆく。立ち止まって、その音に何時でも耳をすましていると、急にワクワクと身体が底から顫えてくる――恐怖に似た物狂おしさが襲ってきた。その時、今でも覚えている、俺はワッと声をあげて泣けるものなら、子供よりもモッと大声を上げて、恥知らずに泣いてしまいたかった。