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Japanische Klassiker mit Furigana

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こうじょうさいぼう

工場細胞

小林 多喜二

Lesen Sie 工場細胞 (こうじょうさいぼう) von 小林 多喜二 (こばやしたきじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 91.234 Zeichen · 184 Bildschirme

Aozora Bunko

母たち

弟が面会に行くとき、今度の事件のことをお前に知らせるようにと云ってやった。

差入のことや家のことや色々なことを云った後で、弟は片方の眼だけを何べんもパチ/\させながら、「故里の方はとても吹雪いているんだって。」と云った。するとお前は、「そうだろうな、十二月だもの。――こっちの冬はそれに比べると、故里の春先きのようなものだ。」と云ったそうだね。弟は困って、又何べんも片方の眼だけをパチ/\させて、「故里の方はとても嵐だって!」と繰りかえしたところが、お前が編笠をいじりながら、突然奇妙な顔をして、「お前片方の眼どうした? 神経痛にでもなったのか?」と云ったので、弟は吹き出すわけにも行かず、そうだとも云えず、とても困ったそうだ。――その手紙を弟から貰って、こっちでは皆涙を出して笑ったの。

ところが、本当に今年のこっちの冬というのは十何年振りかの厳寒で、金物の表にはキラ/\と霜が結晶して、手袋をはかないでつかむと、指の皮をむいてしまうし、朝起きてみると蒲団の息のかゝったところ一面が真白にガバ/\に凍えている、夜中に静かになると、突然ビリン、ビリンともののわれる音がする、家をすっかり閉め切って、ストーヴをドシ/\燃しても、暑いのはストーヴに向いている身体の前の方だけで、後半方は冷え冷えとするのだ。