Japanische Klassiker mit Furigana
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こうじょうさいぼう
工場細胞
小林 多喜二
Lesen Sie 工場細胞 (こうじょうさいぼう) von 小林 多喜二 (こばやしたきじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 91.234 Zeichen · 184 Bildschirme
十一
――キイ公めっきり切れるようになったな。
お君は今晩「仕事」のことで、森本と会わなければならなかった。――
階段を上ってくる沢山の足音がした。
――さア、来たぞ※(感嘆符二つ、1-8-75)
十一
その昼、森本は笠原を誘って、会社横の綺麗に刈り込んだ芝生に長々とのびた。――彼はこういう機会を何時でも利用しなければならなかった。笠原は工場長の助手をしていた。甲種商業学校出で、マルクスのものなども少しは読んでいるらしかった。
そこからは、事務所の前で、ワイシャツの社員がキャッチボールをやっているのが見えた。力一杯なげたボールがミットに入るたびに、真昼のもの憂い空気に、何かゞ筒抜けていくような心よい響きをたてた。側に立っていた女事務員が、受け損じると、手を拍ってひやかした。
が、工場の日陰の方には、子供が負ぶってきた乳飲子を立膝の上にのせて、年増の女工が胸をはだけていた。それが四五組あった。
森本は青い空をみていた。仰向けになると、空は殊更に青かった。――その時、胸にゲブゲブッと来た。森本は口の中でそれを噛み直した。
――オイ!
側にいた笠原が頭だけをムックリ挙げて、森本を見た。