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Japanische Klassiker mit Furigana

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こうじょうさいぼう

工場細胞

小林 多喜二

Lesen Sie 工場細胞 (こうじょうさいぼう) von 小林 多喜二 (こばやしたきじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 91.234 Zeichen · 184 Bildschirme

Aozora Bunko

六

――僕らはそれをやって行こうと思っているんだ。そのために……。

――俺も失敗ったよ。

石川が云った。

――職場ば離れるんでなかった。な、河田君!

――然しあの頃と云ったら、組合へ必ず出てきて、謄写版を刷って、ビラをまくことしか「運動」と云わなかったもんだ。

――そうなんだ。正直に云って、工場にじっとしていることが、良心的にたまらなかったんだ、あの頃は。

森本は初めて口を入れた。

――然し工場は動きづらいと思うんです。大工場になると「監獄部屋」のようなことはしないんですから……。

彼は今日の工場の様子を詳しく話した。河田たちは一つ、一つ注意深くきいていた。

――それはそうだ。

と河田が言った。

――だから今迄何時も工場が後廻わしになってきたのだ。

六

森本は河田に云われて、「H・S工場」の地図を書いた。河田はその他に、市内の色々な工場の地図を持っていた。それからY市の全図を拡げて「H・S」のところに赤い印をつけた。

――水上署とは余程離れてるだろうか。

――四……四町位でしょう。

――四町ね?

――悪いところに立ってるな。

石川が顔をあげた。

――この市の水上はドウ猛だからな。