Japanische Klassiker mit Furigana
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こうじょうさいぼう
工場細胞
小林 多喜二
Lesen Sie 工場細胞 (こうじょうさいぼう) von 小林 多喜二 (こばやしたきじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 91.234 Zeichen · 184 Bildschirme
八時に「排水」と「給水」がある。新しい水を貰って、使った水を捨てゝもらい、便器を廊下に出して掃除をしてもらう。(これが一日に二度で、昼過ぎにもある。)
それが済むと、後は自由な時間になる。小さい固い机の上で本を読む。壁に「ラジオ体操」の図解が貼りつけてあるので、体操も出来る。
独房の入口の左上に、簡単な仕掛けがあって、そこに出ている木の先を押すと、カタンと音がして、外の廊下に独房の番号を書いた扇形の「標示器」が突き出るようになっている。看守がそれを見て、扉の小さいのぞきから「何んだ?」と、用事をきゝに来てくれる。
昼過ぎになると、担当の看守が「明日の願い事」と云って、廻わってくる。
キャラメル一つ。林檎 十銭。
差入本の「下附願」。
書信 封緘葉書二枚。
着物の宅下げ願。
運動は一日一度――二十分。入浴は一週二度、理髪は一週一度、診察が一日置きにある。一日置きに診察して貰えるので、時にはまるで「お抱え医者」を侍らしているゼイタクな気持を俺だちに起させることがある。然し勿論その「お抱え医者」なるものが、どんな医者であるかということになれば、それは全く別なことである。