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Japanische Klassiker mit Furigana

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こうじょうさいぼう

工場細胞

小林 多喜二

Lesen Sie 工場細胞 (こうじょうさいぼう) von 小林 多喜二 (こばやしたきじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 91.234 Zeichen · 184 Bildschirme

Aozora Bunko

何時迄も夕映を残して、澄んでいる空に、その喚声がひゞきかえった。

――腹減らしの餓鬼どもだ!

父が帰ってきた。父は入口でノドをゴロ、ゴロならした。

――どうだった、父ちゃの方は?

――ン?

彼は父が何時でも「労働者大会」とか「労働組合」とか、そんなものに反対なのを知っている。父はそれだから二十何年も勤めて来られたのかもしれない。そして今毛一本程の危さで、首をつないでいるにしても、自分は「日雇」でない、だから、そんなワケの分らないことに引きずり込まれたらことだと思っているらしかった。

――事務所の前で気勢ば上げていたケ。あぶれた奴等ば集めてナ。

――組合のものだべ、あれア!

父は新聞の話でもするような無関心さで云った。

――他人事でないど、父ちゃ。今に首になればな。

父は返事をしないで、薄暗い土間にゴソ、ゴソ音をさせた。少しでも暗いと、「ガス」のかゝった眼は、まるッきり父をどまつかせた。父は裏へまわって行った。便所のすぐ横に、父は無器用な棚をこしらえて、それに花鉢を三つ程ならべていた。その辺は便所の匂いで、プン/\していた。父は家を出ると、キット夜店から値切った安い鉢を買ってくる。