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Japanische Klassiker mit Furigana

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こうじょうさいぼう

工場細胞

小林 多喜二

Lesen Sie 工場細胞 (こうじょうさいぼう) von 小林 多喜二 (こばやしたきじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 91.234 Zeichen · 184 Bildschirme

Aozora Bunko

――然し、今度彼がその変った意識で以前のその仲間に話しかけると、不思議なことには、その同じ猥談組の仲間とは思われない答を持ってやってきた。それを見ても、今迄誰も彼等のうちにある意識にキッカケを与えなかったことが分る。彼等は皆自分の生活には細かい計算を持っていた。一日一銭のこと、会社の消費組合で買うするめの値が五厘高いというので、大きな喧嘩になるほどの議論をするのだ。

月々の掛金や保険医の不親切と冷淡さで、彼等は「健康保険法」にはうんざりしていた。そればかりか、「健保」が施行されてから、会社は職工の私傷のときには三分の二、公傷のときには全額の負担をしなければならないのをウマク逃れてしまっていた。「健保は当然会社の全負担にさせなければならない性質のもんだ。」――誰にも教えられずに、職工はそう云っていた。

「工場委員会」も職工たちには「狸ごッこ」だとしか思われていない。「おとなしい」「我ン張りのない」職工を会社が勝手にきめて、お座なりに開くそんな「工場委員会」に少しも望みをつないでいなかった。

今迄一人の女工も使っていないボデイ・ラインを、賃銀の安い女工で置きかえるかも知れないというので、職工は顔色をなくしていた。