Japanische Klassiker mit Furigana
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こうじょうさいぼう
工場細胞
小林 多喜二
Lesen Sie 工場細胞 (こうじょうさいぼう) von 小林 多喜二 (こばやしたきじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 91.234 Zeichen · 184 Bildschirme
――大変だぜ!
と云った。
――大変なビラだ。「ニュース」と同じ系統だ。
――へえ。
――今度は全部配られているんだ。何処から入るんかな。こゝの工場も小生意気になったもんだ。 職長は鶴見あたりの工場から流れて来た「渡り職工」だった。皆を「田舎職工」に何が分ると、鼻あしらいしていた。ストライキになったら、専務より先きに、この職長をグレエンにぶら下げて、下から突き上げしてやるんだ、と仕上場では云っていた。――「フン、今に見ろ!」森本は心の中でニッと笑った。
工場の中は、いよ/\朝刊に出た金菱の態度と、ビラの記事でザワついていた。一足ふみ入れて、それを感じとると、森本はしめたと思った。仕事の始まる少し前の時間を、皆は機械のそばに一かたまり、一かたまりに寄ってビラのことをしゃべっている。
――こうなったら、これが矢張り第一の問題さ。
森本は集りの輪の外へとんでくるそんな言葉をつかんだ。
製罐部に顔を出すと、トップ・ラインにいたお君が、素早く見付けて、こっちへ歩いてきた。何気ない様子で、
――大丈夫よ。委員会は選挙制にするのが理屈だって云ってるわ。あんたの方の親爺、あの禿の頑固! あいつ奴だけが皆からビラをふんだくって歩いてるのよ。