Japanische Klassiker mit Furigana
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ふたばていよだん
新編 思い出す人々
内田 魯庵
Lesen Sie 新編 思い出す人々 (ふたばていよだん) von 内田 魯庵 (うちだろあん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 215.401 Zeichen · 427 Bildschirme
紅葉はこうした男であった。日頃は罵詈讒謗してやまなかった抱一庵をも一見コロリと感服させ、犬と猿のように仲違いしているものにでも会えば奥底なく打解けて、自分の身上などを細々打明けて話すほど捌けていた。が、心から捌けて洒落であったかというと実は余り洒落でなかった。些細な事を執念く気に掛けて何時までも根に葉に持つ神経質であった。が、表面はガラガラして江戸ッ子とアングロサクソンを搗交ぜた紳士形気を理想としていた。
紅葉は親分肌で、門下や友人の面倒を能く見た。が、厚意をありがたがって感謝しないと不機嫌だった。殊に門下生に対しては、七尺去って師の影を踏まずというような厳格な奴隷的道徳を強圧した。『青葡萄』という作に、自分は鞭と縄とで弟子を薫陶するというような事をいってるが、門下の中には往来で摺違った時、ツイ迂闊して挨拶しなかったというので群集の中で呼留められて、新兵が古兵にトッチメられるように威丈高に叱られたり、正月の年始が遅れたとか近火の見舞をいわなかったとかいうので勘気を蒙むったりしたものもあった。
門下生ばかりでなく、友人関係の同人に対しても草創時代の同輩は別として、後進生に対しては世話もする代りに先輩の権威で臨んだものだ。