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Japanische Klassiker mit Furigana

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ふたばていよだん

新編 思い出す人々

内田 魯庵

Lesen Sie 新編 思い出す人々 (ふたばていよだん) von 内田 魯庵 (うちだろあん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 215.401 Zeichen · 427 Bildschirme

Aozora Bunko

が、手紙で知らして来た容子に由ると、その後も続いて沼南の世話になっていたらしく、中国辺の新聞記者となったのも沼南の口入なら、最後に脚気か何かの病気でドコかの病院に入院して終に死んでしまった病院費用から死後の始末まで万端皆沼南が世話をしてやったのだそうだ。

私が沼南と心易くなったはその後であった。Yが私の家へ出入していたのを沼南は能く知っていたが、私も沼南もYの名は一度でもにも出さなかった。

沼南の先夫人の不しだらは当時二、三の新聞の三面を賑わしたから誰も知っている。が、不義の対手の忘恩者を赦した沼南の大雅量は直接事件に交渉したものの外は余り知らない。使用人同様の玄関番の書生の身分で主人なり恩師なりの眼を窃んでその名誉に泥を塗るいおうようない忘恩の非行者を当の被害者として啻に寛容するばかりでなく、若気の一端の過失のために終生を埋もらせたくないと訓誡もし、生活の道まで心配して死ぬまで面倒を見てやったというは世間に余り例を聞かない何という美談であろう。中には沼南が顔に泥を塗られた見にくさを箔でゴマカそうとするためのお化粧的偽善だというものもあるが、偽善でも何でも忘恩の非行者に対してこういう寛容な襟度を示したものは滅多にない。