Japanische Klassiker mit Furigana
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ふたばていよだん
新編 思い出す人々
内田 魯庵
Lesen Sie 新編 思い出す人々 (ふたばていよだん) von 内田 魯庵 (うちだろあん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 215.401 Zeichen · 427 Bildschirme
その頃紅葉は飯田町の国学院大学の横町にお祖父さんと一緒に住んでいた。美妙の武者窓の長屋よりは気の利いた一軒建であったが、美妙が既に一人前の紳士であったと違って、紅葉はマダ書生ッぽで三畳の書斎に納まっていた。何しろ三畳敷だから二、三人座るとギッシリ詰って身動きも出来ない位で、美妙の書斎のように嚇かし道具を列べる余地もなかったし、美妙のように何でも来いと頤を撫でる物識ぶりを発揮しなかった。例えば美妙は、これなら豈夫知っていまいと窃に予期して質問した西鶴についてすらも初対面の私を煙に巻くだけの批評をしたが、紅葉はこの頃漸と『一代男』を読んだばかしで何が何やらサッパリ解らない、女の行水している処を隣りの屋根から遠目鏡で覗いている画なんぞあって面白そうだが少しも解らない、『源氏』よりは難かしいもんだと率直に答えた。美妙はディッケンスもサッカレーも鵜呑にした批評をしたが、紅葉はやはり難かしくて少しも解らないといった。字引をコツコツ引いて油汗をダクダク出して考え考え読んで、なるほどコイツは巧エやでは少とも面白くないと言った。美妙は学者然と取澄ましていたが紅葉は極めてザックバランで少しも飾らなかった。