Japanische Klassiker mit Furigana
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ふたばていよだん
新編 思い出す人々
内田 魯庵
Lesen Sie 新編 思い出す人々 (ふたばていよだん) von 内田 魯庵 (うちだろあん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 215.401 Zeichen · 427 Bildschirme
を請取った時は手がブルブル慄えて、歩きながら読んで行く中に忽ち顔色が変って、「これほど拙ないとは思わなかった、印刷して見ると我ながら拙なくて読むに堪えない」と、読終った時は心が早鐘を突く如くワクワクして容易に沈着いていられなかったとある。
なるほど、前にもいった通り、第三篇は油の十分乗った第二篇に比べると全部に弛みがあって気が抜けておる。が、同じ時代の他の作家の作と比べて決して見劣りしなかったが、己れの疵瑕を感ずるに余りに鋭敏な作者は、丁度神経過敏家が卯の毛で突いたほどの負傷でも血を見ると直ぐ気絶するように、自分の作が意に満たないと坐ても起ってもいられなかったらしい。聡明に過ぐるものは自信を欠くと昔からいうが、二葉亭の如きはその適切な一例であった。自分を局外に置いて見る時は群小作家皆豆粒よりも小さかったが、自分をその中の一人として比較する時は豆粒よりも小さく思う人よりも更に一層自分が小さく思われて堪えられなかったようだ。その時の日記にも「今までは某々らの作る小説は拙なくして読むにたへずと思ひつるが、余の作に比ぶれば彼らの作は遥に勝れり、余は元来小説家にも非ず、また小説家とならんとも思はず、」