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Japanische Klassiker mit Furigana

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ふたばていよだん

新編 思い出す人々

内田 魯庵

Lesen Sie 新編 思い出す人々 (ふたばていよだん) von 内田 魯庵 (うちだろあん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 215.401 Zeichen · 427 Bildschirme

Aozora Bunko

暇乞いして帰ろうとすると、停車場まで送ろうといって、たった二、三丁であるが隈なく霽れた月の晩をブラブラ同行した。

満月ではなかったが、一点の曇りもない冴えた月夜で、丘の上から遠く望むと、見渡す果もなく一面に銀泥を刷いたように白い光で包まれた得もいわれない絶景であった。丁度秋の中頃の寒くも暑くもない快い晩で、余り景色が好いので二人は我知らず暫らく佇立って四辺を眺めていた。二葉亭は忽ち底力のある声で「明月や……」と叫って、較や暫らく考えた後、「……跡が出ない。が、爰で名句が浮んで来るようでは文人の縁が切れない。絶句する処が頼もしいので、この塩梅ではマダ実業家の脈がある、」と呵然として笑った。

汽車の時間を計って出たにかかわらず、月に浮かれて余りブラブラしていたので、停車場でベルが鳴った。周章てて急坂を駈下りて転がるように停車場に飛込みざま切符を買った処へ、終列車が地響き打って突進して来た。ブリッジを渡る暇もないのでレールを踏越えて、漸とこさと乗込んでから顔を出すと、跡から追駈けて来た二葉亭は柵の外に立って、例の錆のある太い声で、「芭蕉さまのお連れで危ない処だった」