Japanische Klassiker mit Furigana
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ふたばていよだん
新編 思い出す人々
内田 魯庵
Lesen Sie 新編 思い出す人々 (ふたばていよだん) von 内田 魯庵 (うちだろあん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 215.401 Zeichen · 427 Bildschirme
号外が最う刷れてるんだが、海軍省が沈黙しているから出す事が出来んで焦り焦りしている。尤も今日は多分夕方までには発表するだろうと思うが、近所まで用達しに来たから内々密と洩らしに来た。」
と、いつも沈着いてる男が、跡から跡からと籠上る嬉しさを包み切れないように満面を莞爾々々さして、「何十年来の溜飲が一時に下った。赤錆だらけの牡蠣殻だらけのボロ船が少しも恐ろしい事アないが、それでも逃がして浦塩へ追い込めると士気に関係する。これで先ず一段落が着いた。詳報は解らんが、何でもよっぽど旨く行ったらしい……」とちょっと考えて「事に由るとロスの奴、滅茶々々かも解らん。今日の電報が楽みだ。」
といいつつソソクサして、「こうしちゃおられん。これから復た社へ行く、」と茶も飲まないで直ぐ飛出し、「大勝利だ、今度こそロスの息の根を留めた、下戸もシャンパンを祝うべしだネ!」と周章た格子を排けて、待たせて置いた車に飛乗りざま、「急げ、急げ!」
こんな周章ただしい忙がしい面会は前後に二度となかった。「ロスの奴滅茶々々かも解らん」とあたかも軍令部長か参謀総長でもあるかのようなプライドが満面に漲っていた。