Japanische Klassiker mit Furigana
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ふたばていよだん
新編 思い出す人々
内田 魯庵
Lesen Sie 新編 思い出す人々 (ふたばていよだん) von 内田 魯庵 (うちだろあん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 215.401 Zeichen · 427 Bildschirme
今の学堂夫人テオドラが初めて日本の父の家に帰って来たのも丁度『経世偉勲』が発行されて若い学堂の溌溂たる意気が青年の思慕の中心となった頃であった。が、日本へ帰ったばかりのテオドラ嬢は日本の民間党の領袖に母国の大政治家ジスレリーを私淑する花形役者があるのを少しも知らなかったろうし、またこの和製ジスレリーが未来の良人となる事を少しも予期しなかったろう。噂だから虚実は解らぬが、当時のテオドラ嬢は日本の父の家庭が本国で想像したとは案に相違したのを満足出来なかったそうだ。英人のホームを見馴れた眼には一家の夫人ともあろうものが酒飯の給仕をしたり、普通の侍婢と見えない婦人が正夫人と同住している日本の家庭が不思議でもありまた不愉快で堪らなかったそうだ。殊にテオドラ嬢の父は元老院議官であったが、英国のセネートアの堂々たる生活ぶりから期待したとは打って変った見窶らしい生活が意に満たないで、不満のある度に一々英国公使に訴え、公使がまた一々取次いで外相井侯に苦情を持込むので、テオドラ嬢の父は事毎に外相からの内諭で娘の意を嚮えるに汲々として弱り抜いていたが、欧化心酔の伊井公侯もこれには頗る困らされたそうだ。