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Japanische Klassiker mit Furigana

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ふたばていよだん

新編 思い出す人々

内田 魯庵

Lesen Sie 新編 思い出す人々 (ふたばていよだん) von 内田 魯庵 (うちだろあん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 215.401 Zeichen · 427 Bildschirme

Aozora Bunko

谷中から上野を抜けて東照宮の下へ差掛った夕暮、偶っと森林太郎という人の家はこの辺だナと思って、何心となく花園町を軒別門札を見て歩くと忽ち見附けた。出来心で名刺を通じて案内を請うと、暫らくして夫人らしい方が出て来られて、「ドウいう御用ですか?」

何しろ社交上の礼儀も何も弁えない駈出しの書生ッぽで、ドンナ名士でも突然訪問して面会出来るものと思い、また訪問者には面会するのが当然で、謝絶するナゾとは以ての外の無礼と考えていたから、何の用かと訊かれてムッとした。

「何の用事もありませんが、そんなら立派な人の紹介状でも貰って上りましょう、」とブッキラ棒に答えてツウと帰った。

その頃私は神田小川町に下宿していた。忌々しくてならないので、帰ると直ぐ「鴎外を訪うて会わず」という短文を書いて、その頃在籍していた国民新聞社へ宛ててポストへ入れに運動かたがた自分で持って出掛けた。で、直ぐ近所のポストへ投り込んでからソコラを散歩してかれこれ三十分ばかりして帰ると、机の上に「森林太郎」という名刺があった。ハッと思って女中を呼んで聞くと、ツイたった今おいでになって、先刻は失礼した、宜しくいってくれというお言い置きで御座いますといった。