Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
しんぺんちゅうしんぐら
新編忠臣蔵
吉川 英治
Lesen Sie 新編忠臣蔵 (しんぺんちゅうしんぐら) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 337.181 Zeichen · 676 Bildschirme
『おやめなされっ!』
数右衛門は、持ち前の大声をあげ、いきなり縁へ跳び上って呶鳴った。
『――馬鹿馬鹿しいっ、粋狂にも程がある、何たる態だっ。妓ども、ひかえろっ』
その間に、惣右衛門は、驚きの眼を瞠っている仲居や妓たちの間を、ずかずかと通って、ぽかんと、擂粉木を手に立っている米磨ぎ笊の顔のそばへ、自分の顔を突きつけた。
『大夫。――惣右衛門でござる』
『…………』
『いつの間に、かような芸道にまでお通じなされましたぞ。見事といおうか、何と称えようか。さだめし、世評もお耳に入っているであろうに。……はははははは……余りといえばお変りになった』
皮肉な口を叩きながら、その惣右衛門の顔には、涙がながれていた。不破数右衛門は、見つけたら俺は撲ってしまうと云って、ここへ来たのであるが、その人の前へ出れば、やはりそうも行かない様子だった。然し、心の裡の憤りは、その顔つきを青じろく硬ばらしているし、昂っている肩先は顫えを抑えているのだった。一つまちがえば、いかに目上の内蔵助であろうと、理性を失って、撲りかねまい血相なのである。
『大夫っ……』
と、惣右衛門と共に、詰め寄って、