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Japanische Klassiker mit Furigana

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しんぺんちゅうしんぐら

新編忠臣蔵

吉川 英治

Lesen Sie 新編忠臣蔵 (しんぺんちゅうしんぐら) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 337.181 Zeichen · 676 Bildschirme

Aozora Bunko

一人が、内蔵助のうしろから、花手拭で目隠しすると、すばやく、各※(二の字点、1-2-22)は散らかった。

手拍手を打って、

『うき様。――こちら』

『うき様。――そちら』

内蔵助は、白痴のように、口を開いて、

『暗や。暗や』

すると、大勢が、

『オオ暗や』

『お手々のほうへ』

『うき様。こちら――』

手拍子は、だんだん遠くなって行った。この間に、為かけている用事へ抜け出す仲居もある。他の者に囁いて、そっと他の座敷へかくれる妓もあった。

『暗や……暗や……』

内蔵助は、壁を撫でた。いつのまにか、部屋を出て、長い畳廊下を探っているのだった。

ふと、冷たい絹に触った。捕った相手は、呼吸をしのんで、わざと体を撫でさせているのだったが、内蔵助の手が何ものかを感じて、恟っと引くと、

『この阿呆浪人めっ!』

人違いをされたその侍は、不意に、こう大喝して、内蔵助の体をつよく突き飛ばし、

『あきれた馬鹿者っ』

と、うしろ向きに一瞥を投げて、大股に立ち去った。

叛骨

窓の女竹にぱらぱらと夜半の雨がこぼれた。もう梅雨を過ぎて六月に入っているので、うたた寝の畳もさして冷たくはないが、深酒の後の五体は、何となく骨の髄から身ぶるいが出る。