Japanische Klassiker mit Furigana
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しんぺんちゅうしんぐら
新編忠臣蔵
吉川 英治
Lesen Sie 新編忠臣蔵 (しんぺんちゅうしんぐら) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 337.181 Zeichen · 676 Bildschirme
と、内蔵助が云いだした。
仲居たちが、先刻の亭主のことで、機嫌を損ねているものとみて、頻りにとめると、
『何さ、遽に、お軽のことが思い出され、ちと不愍になった。稀には、あれへも姿を見せてやらずばなるまいが……』
と、のろけ交りに云う。
そのお軽というのは、この伏見の者でもみな知っている二条寺町通りの一文字屋次郎兵衛の妹で、彼女を知らぬ者でも、その美人であることは知っていた。――あまりに内蔵助が乱行するので、彼の従弟の進藤源四郎と、叔父の小山源五右衛門とが、相談ずくで、
(あの娘なら気に入ろうし、遊びもやむであろう)
と、山科の家へ、入れたものだった。
内蔵助は、お軽を愛した。けれど、伏見がよいは、その為に少しも足数は減らなかった。
(底が知れん)
と、叔父も従弟も、匙を投げるし、又、
(これはどうやら、内蔵助の行状も、ほんものらしいわい)
と同志のうちで云う者も多くなって、一徹者の奥野将監などは、すでに、
(見限り申した)
と、内蔵助の胸へ、絶縁状をたたきつけているのである。
『帰ろ』
云いだすと、いつも急である。
『お軽の顔が見とうなった。飽いたらまた来る程に』